USB延長の落とし穴・安定させるコツ

2016年12月11日

USB機器をPCから遠くに・自由な位置に配置したくてもケーブルが届かない場合があります。その時に使える選択肢と、意外に気付きにくい落とし穴や安定させるコツを紹介します。

どうやって延長する?

USB機器を遠くに置くための方法として、大きく分けて二つの方法があります。

  1. USBハブを使う
  2. メス-オスタイプの延長ケーブルを使う

この二つは一見やっていることはあまり変わらないように見えますが、USBの観点では大きく異なります。

どちらかというと、USBハブを使う方法が一般的です。しかしながら、USBの機能をフルに使っていて相性問題を生みやすいVR機器には、延長ケーブルを使うのを強くお勧めします。

次に、延長ケーブルがお勧めな理由を説明した後で、落とし穴をよけながらケーブルをどうやって選べばよいかを説明していきます。

USBハブはそれ自体がUSB機器

一見USBハブは電源タップのように、USBの信号を分岐するための機材と思われがちですが、実際には違います。

USBハブはそれだけで一つのUSB機器であり、USBの観点ではハードディスクやマウスと同じような扱い(通信先を指定するアドレスを持つ)になっています。そのため、延長したいUSB機器との間にUSBハブを挟むと、PCとUSB機器の間の転送に影響を及ぼしてしまいます。

一般的なUSB機器をつなぐ上でこれが問題になることはまずありませんが、広帯域かつ低遅延の通信を行うVR機器にとっては、この些細な差が死活問題になってしまうことがあります。

USBハブには、3.0/2.0だけでなく、内部転送帯域といった性能差があります。どうしてもUSBハブを使いたい場合は、ポート数の多いものを使うのが無難ですが、なるべく動作が確認されているものを探したほうがよいでしょう。

Oculus Riftで動作するUSBハブは?

USBハブを使いたくなるとしたら、必要なUSBポート数が多いOculus Riftを接続する場合が多いと思います。一方で、Oculus RiftはUSBハブとの相性問題を引き起こすことが多く、適当な物を買っても動作しないことがあります。

海外フォーラムのRedditで以下のモデルが動作すると書かれており、複数のユーザ環境において動作実績があるようです。。

管理人の環境では以下のモデルの動作を確認しています。しかし、普段は後に書く延長ケーブルを使って接続しているため、あまり使い込んではいません。

また、他のサイトでも以下のハブが動作するとの報告を見かけました。

動作確認済USBハブを使う場合の注意点

USBハブを経由するとき、必ずUSBの通信信号(パケット)を一回受信してから反対側に送り直す処理が挟まります。そのため、信号の伝送に若干のおくれが生じます。普段この遅延が問題になることは無いですが、留意しておきたい点です。

USBハブを経由する・しないを混在させると、センサー間で遅延のばらつきがでてしまいますが、Oculus RiftとOculusセンサーの間は無線通信で同期を取っているため、ばらつきも問題になることは少ないはずです。(Oculus DK2ではケーブルで同期処理を行っていましたが、製品版では無線になりました。)

またOculus Riftのセンサーは、帯域の制限があるため一つのハブに付き最大二つまでにとどめて下さい。

延長ケーブルなら単純?

延長ケーブルなら単なるケーブルなので、何も考えなくてもよい、、、ということはありません。実はUSBケーブルには保証される最大ケーブル長が決まっています。

  • USB 3.0 の場合最大 3m まで
  • USB 2.0 の場合最大 5m まで

Oculus Rift本体やセンサ、HTC VIVEといったVR機器のUSBは全てUSB3.0ですので、規格上最大3mまでということになります。とはいっても、これらのヘッドマウントディスプレイからもともと出ているケーブルは3mを超えていますので、3mを超えたら即動かなくなる、というわけではありません。信号の減衰具合や外部からのノイズの受けやすさなど、ケーブルの品質等によってはもっと長くなります。が、それは試してみないとわかりません。

こんなことを言われると、どうにかして最大長を知ることはできないのか、3mよりもっと長く延長することはできないのか?という疑問が湧いてきます。その答えは、ケーブル長の制限を心配しなくてもよい方法で延長するです。

延長ケーブルには二種類ある

延長ケーブルには、単に信号線を引き延ばしただけの パッシブタイプの延長ケーブル と、途中で電気信号を増幅させるリピータ機能付きの アクティブタイプの延長ケーブル が存在します。

リピータ機能がある分、アクティブタイプの方がパッシブタイプよりも値段が高いですが、その分確実に遠くまでUSBの信号を運ぶことができます。アクティブタイプであっても、USB観点ではPCと直接つないでいるのと同じですので、トラブルも抑えられます。

なお、延長ケーブルにはUSB 3.0用とUSB 2.0用があります。USB 2.0からUSB 3.0では信号線が増えており、間違ってUSB 2.0用を買ってしまうと、USB 2.0接続になってしまうので気を付けてください。

USB延長のまとめ

USB 3.0の場合の延長についてまとめます。

  • USBハブではなく延長ケーブルを使う
  • 延長ケーブルには二種類あるので長さに応じて使い分ける
    • 合計のケーブル長が3m以内であれば、通常の(安い)パッシブタイプの延長ケーブルを使う
    • 合計のケーブル長が3mを超えるのであれば、リピータ機能付きのアクティブタイプの延長ケーブルを使う
  • 延長ケーブルは必ずUSB 3.0用と書かれているものを選ぶ

これらをちゃんと守らないと、VR機器が安定しなかったり。遅延が生じたりする原因になります。

Oculus Rift用トラッキングセンサー特有の話

Oculus Riftのセンサーについているケーブルは1.5mですので、これを延長するのであれば、上記の境目は 1.0 – 1.5m = 1.5m になります。(2.0m までは延長しても動くことは確認できていますし、ネットではそれ以上の報告もあるようです。)

また、三つ目以降のセンサーに関してはUSB 2.0でも問題ないようです。実際、単品売りのトラッキングセンサーにはMonoprice製USB 2.0用の5.0mの延長ケーブルが標準で付属しています。(Oculus RiftやOculus Touch付属のセンサーには延長ケーブルは付属しません。)ただし、このケーブルは日本での入手性がよくありませんので、別のケーブルを用意した方がよいでしょう。

どれを買ったらよいのか?

今までの注意点を抑えてさえいれば、よっぽど変なものを買わない限りトラブルに見舞われることはないと思いますが、おすすめのものを以下に紹介しておきます。

UGREENは日本ではあまり聞かない名前ですが、海外では割と有名なもので、コストパフォーマンスが高めでおすすめです。リピータタイプは10mまで延長可能な信号ブースタがついており、ネットでも多くの動作実績があるようです。

国産の方が安心、という方はエレコムやサンワサプライを選ぶとよいでしょう。ただし、サンワサプライの3.0mのリピータケーブルは内部的にハブになっているとのレビューもありますので注意が必要です。(真偽は確認していません。)

UGREEN エレコム / サンワサプライ
1.0m
1.5m
2.0m  (管理人の環境で動作)  
以下アクティブ(リピーター)タイプ
3.0m サンワサプライ 3.0m延長USB3.0アクティブリピーターケーブル KB-USB-R303
5.0m  (管理人の環境で動作)
10m  

最後に

USB 3.0は非常に高速な信号が流れておりシビアです。USBケーブルはシールドされていますが、極端なノイズに元々弱いです。延長する場合はノイズの影響を受けやすくなりますので、他のケーブルと離したり無線機器の配置を変えるなど周囲にも気を遣って下さい。