SteamVRに必携のOpenVR Advanced Settingsの使い方

2017年5月29日

内部解像度(Super-Sampling)等のVR描画設定や、ルームスケール関連のカスタマイズを簡単に行うアドオンOpenVR-AdvancedSettingsの紹介記事です。SteamVRを利用する場合には、必ず入れておくべきソフトです。

OpenVR Advanced Settingsが持つ機能

OpenVR Advanced Settingsは以下のような機能を有しています。(公式ドキュメントより)

これらの設定は全てVR空間内のメニューから行うことができます。(反映に一部SteamVRの再起動が必要です)

  • Super-Sampling 値の設定
  • 非同期再投影やモーションスムージングの有効・無効切り替え
  • シャペロン境界の設定(完全に非表示にするなどSteamVR設定からは変更できない物も含む)
  • シャペロン境界の警告設定
  • シャペロン境界のプロファイル設定
    • VR空間無いから素早く空間設定を切り替えます
  • 一時的なプレイスペースの移動・回転
  • 頭の高さを修正
  • パフォーマンス統計や他の統計を表示(ヘッドセットの回転など)
  • 再生・ミラー・録音オーディオデバイスの選択
  • ミラーデバイスのミュート・アンミュートの切り替え
  • マイクデバイスのミュート・アンミュートの切り替え
  • push-to-talk機能とそのプロファイルの切り替え
  • デスクトップモードでVRオーバレイの代わりにウィンドウをデスクトップに表示
  • VRキーボード入力ユーティリティ
  • シンプルなアラームクロック
  • プレイヤーの高さ調整の有効・無効切り替え

OpenVR-AdvancedSettingsのインストール方法

  1. Githubの配布ページから最新版をダウンロード
  2. インストーラーを実行
  3. SteamVRが起動している場合は、SteamVRとSteamを一回再起動する
    • 念のためPCを再起動しても良いかもしれません
  4. 実行ファイルをエクスプローラから起動
    • 通常は C:\Program Files\OpenVR-AdvancedSettings\AdvancedSettings.exe
  5. SteamVRのダッシュボード(コントローラ上の三のハンバーガーボタンを押して表示されるメニュー)に歯車のAdvancedアイコンが増えていることを確認

OpenVR-AdvancedSettingsの設定項目

OpenVR-AdvancedSettingsは非常に多くの機能を持っています。公式ドキュメントを日本語に訳してみましたので、目的の機能があるか探してみて下さい。

特にプレイスペースやシャペロン境界を調整する機能が便利です。


Top ページ

Root ページ

  • Video Profile: ビデオプロファイルを適用します。プロファイルはビデオページで作成できます。
  • Chaperone Profile: シャペロン境界プロファイルを適用します。プロファイルはシャペロンページで作成できます。
  • Microphone: マイクの音量を設定したり、ミュート/ミュート解除ができます。
  • Push-to-Talk: プッシュトークを有効/無効にします。(オーディオページもあわせて参照)

SteamVR ページ

SteamVR ページ

  • Misc
    • Enable Timing Overlay: HMD上に常に表示される、シンプルなタイミングオーバーレイを有効にします。
    • Allow Multiple Drivers: 複数のドライバのロードを許可し、マルチデバイス設定(viveトラッカーをOculus Riftで使うなど)を可能にします。
    • Disable Notifications: VR内での通知(ポップアップ)を無効にします。
    • Enable System Button Binding: Aシステムボタンをバインドして任意のアプリケーションで使用できるようにします(「VRコンポジタ」でバインディングを変更する必要があります。)。
    • No Fade to Grid: アプリケーションが応答しなくなった場合に、グリッド(灰色の球空間に線が表示されるシーン)を表示させません。
  • Camera (すべてのチェックボックスで再起動が必要です)
    • Enable Camera: カメラ機能を有効にします
    • Camera for Bounds: カメラの位置をシャペロン境界のプレイヤー側の端に置き換えます。
    • Camera for Dashboard: ダッシュボードをアクティブにすると、小さなカメラビューがコントローラにアタッチされます。
    • Camera for Room View: システムボタンをダブルクリックすると、部屋のTron/Shadowバージョンが表示されます。
  • Desktop Overlay Width: :Steamのデスクトップオーバーレイの幅を調整します。
  • Restart SteamVR:SteamVRを再起動します(再起動時にSteamVRホームの実行中にSteamVRオーバーレイがクラッシュする可能性があるため、再起動する前にSteamVRホームを閉じることをお勧めします)。

Chaperone ページ

Chaperone ページ

  • Profile: 空間座標の情報、スタイル情報、またはその他のシャペロン境界設定を保存する「シャペロンプロファイル」を適用/定義/削除できます。
  • Visibility: シャペロン境界の可視性を設定できます。不透明度は30%から100%です。
  • Fade Distance: シャペロンの境界を表示する距離を設定できます。(0に設定すると、シャペロンの境界は完全に非表示になります。)
  • Height: シャペロン境界の高さを設定できます。
  • Center Marker: プレイ空間の中心を表すマーカーを表示します。
  • Play Space Maker: プレイ空間を表す矩形のアウトラインを表示します。
  • Force Bounds: シャペロンの境界を常にオンに強制します。
  • Disable Chaperone: フェード距離を0.0に設定することで、シャペロン境界を無効にします。
  • Proximity Warning Settings: ユーザーがシャペロンの境界に近づきすぎた場合の警告方法を設定するページを開きます。
  • Rotate Orientation: 設定した量だけ向きを回転します。
  • Reload from Disk: シャペロン境界の座標情報をディスクから再ロードします。

Chaperone Proximity Warning Settings ページ

Chaperone Proximity Warning Settings ページ

ユーザーがシャペロンの境界に近づきすぎた場合の警告方法を設定するページです。

  • Switch to Beginner Mode: シャペロンへ境界とユーザーの距離が設定された有効化距離を下回ったときに、シャペロン境界のスタイルをビギナーモードに切り替えます。
  • Trigger Haptic Feedback: シャペロンへ境界とユーザーの距離が設定された有効化距離を下回ったときに、左右のコントローラーが振動をさせます。(HMDやコントローラーからトリガできます)
  • Audio Warning: シャペロンへ境界とユーザーの距離が設定された有効化距離を下回ったときに、アラーム音を鳴らします。
    • Loop Audio: オーディオアラームを1回だけ再生するか、ループで再生するかを指定します。
    • Adjust Volume: シャペロン境界までの距離に応じてオーディオボリュームを変更します。
  • Open dashboard: シャペロンへ境界とユーザーの距離が設定された有効化距離を下回ったときに、ダッシュボードを開きます。ゲームを一時停止(ほとんどのシングルプレーヤーゲームは、ダッシュボードが表示されると自動的に一時停止する)して、ユーザーに方向転換の時間を与えるのが狙いです。

Space Offset ページ

Space Offsets ページ

再生スペースの中心を一時的に移動および回転できます。これにより、現実世界の壁の外側に位置して届かない、もしくは他の理由でアクセスできないインタラクション要素(例えば、プレイスペースが推奨されるものよりも狭い場合)に到達できます。設計された移動範囲の外にある何かを見つけることにも使用できます(The Labのドアの向こうに何があるのかと思ったことはありませんか?)。

  • Adjust Chaperone: :このオプションを有効にすると、プレイスペースを移動または回転しても(誰も傷つかないように)、シャペロンの境界が正確に保たれます。シャペロンモードによっては、高さによって調整される場合とされない場合があります。
  • Seated Recenter: :クリックすると、ヘッドセットの現在の位置と角度がオフセットに適用され、ユーザは中央の位置に移動します。また、現在のヘッドセットの高さを既定の取り付け高さ(オフセットでは表示されません)に適用します。また、着席向けアプリケーションがreset centerコマンドを送信すると、このアクションが自動的にアクティブになります。注:このボタンは、着席向けアプリケーションを実行しているときにのみ表示されます。

Motion ページ

Motion ページ

  • Space Drag: コントローラでドラッグしてプレイスペースを移動できます。キーバインドはSteamVR入力システムで設定する必要があります。
    • Left/Right Hand: 機能を切り替えます(SteamVR Input System経由のバインドてアクティブである必要があります。)。
    • Comfort Mode: 動きが更新される速度を制限し、滑らかさを減らして、動きがミニテレポートのように感じられるようにします。値を大きくするほど滑らかさが低下します。
    • Force Bounds: プレイスペースドラッグ中にシャペロンの境界を強制的に表示します。
  • Space Turn: コントローラを回転させて、プレイスペースを回転させることができます。バインドは必ずSteamVR Input Systemで設定してください。
    • Left/Right Hand: 機能を切り替えます(SteamVR Input System経由のバインドてアクティブである必要があります。)。
    • Comfort Mode: 回転の更新速度を制限し、滑らかさを減らして、回転がミニスナップターンのように感じられるようにします。値を大きくするほど滑らかさが低下します。
    • Force Bounds: スペース回転中にシャペロン境界を強制的に表示します。
  • Height Toggle: 0とgravity floor heightの高さのオフセットを切り替えます。重力が無効な場合は、ユーザもこのオフセットに移動します。(例:座っている高さと立っている高さを素早く切り替えることができます。)SteamVR Input Systemでバインド可能です。
    • On: 在の切り替え状態、バインドによって直接変更されます。
    • Height Offset: オフセットの量(+は下方向)
    • Set From Y-Offset: Offset ページからYオフセット値を取得します。
  • Gravity Settings: 重力と運動量のシミュレーションにより、スペースオフセットを動的に移動できます。
    • On: 現在の切り替え状態、バインドによって直接変更されます。
    • Gravity Strength: 重力シミュレーションの下向き加速度 (メートル/秒の2乗)。Planetボタンを使用すると、代表的な重力強度値をすばやく設定できます。値を直接入力することもできます。
    • Save Momentum: 重力のオン/オフ切り替えで運動量を保存するかどうかを指定します。
    • fling Strength: プレイスペースドラッグ機能を使用した時の、「投げる」動作の慣性を調整します。
  • Snap Turn Angle: :指定した角度でスナップ(瞬間)回転を許可します。値を入力したり、360度をきちんと分割する角度のプリセットボタンを使用できます。SteamVR Input Systemインタフェースを介してアクションをバインドする必要があります。
  • Smooth Turn Rate: フレームごとの角度のパーセンテージによるスムーズな回転を可能にします。(つまり、90fpsでの100%は90度/秒または15RPMです。)

Space Fix ページ

Space Fix ページ

  • Fix Floor: 床の高さを修正します。床にコントローラを1つ置いて、ボタンを押すだけです。
  • Recenter Playspace: 床の高さを修正するだけでなく、床にあるコントローラの周囲のスペースもリセンタリングします。
  • Apply Space Settings Offsets as Center: Offset ページから現在の値を取得し、中心/回転を再度キャリブレーションします。注意リセット機能はこの位置を新しい0位置として参照し、古い0位置を上書きします。
  • Revert All Changes from This Session: シャペロンの設定を、vrの起動時の状態に戻します。(これにより、Chaperone ページの自動保存プロファイルが適用されます。)。

頭の高さ調整(Fix Floor)については以下の記事も参照して下さい。

Audio ページ

Audio ページ

  • Playback Device: 再生デバイスを選択します。
    • Toggle Override: HMDのオーディオの代わりに再生デバイスを選択します。
  • Mirror Device: ミラーデバイスを選択し、ボリュームを設定し、ミュート/ミュート解除します。
  • Microphone: マイクデバイスの選択、音量の設定、ミュート/ミュート解除します。
    • Toggle Override: HMDのマイクの代わりに録音デバイスを選択します。
  • Proximity Sensor Mutes/Unmutes Microphone: 近接センサーを使用してHMDが頭から取り外されたことを検出し、マイクをミュートします。Push-to-Talkはこの機能に対応していますが、アイコンを使用してマイクを手動でミュート/ミュート解除することはできません。
  • Push-to-Talk: Push-to-Talkを有効/無効にします。Push-to-Talkを開始すると、Push-to-Talk動作を開始しない限りマイクはミュートされます。
  • Show Notification: Push-to-Talkアクションがアクティブになったときに、ヘッドセットに通知アイコンを表示します。
  • Push-to-Mute: Push-to-Talkの逆をします。マイクはデフォルトでミュート解除されていますが、キーバインドを押すとミュートされます。
    • :この機能を使用するには、Push-to-talkクボックスが有効になっている必要があります。
  • Audio Profile: **APIのバグのため4.0 .0/OpenVR 1.8 .19では無効*** ~~再生デバイス、ミュート状態、音量を保存するオーディオプロファイルを適用/定義/削除します~~

Video ページ

Video ページ

  • Brightness: 表示を暗くできます。
    • On/Off: 設定のオン/オフを切り替えます。
    • Brightness: 暗くする量
    • Note: HMDの光出力を必ずしも低下させるわけではありません。表示パネルタイプなどによって動作は異なります。
  • Color Adjustment: ディスプレイの色を調整できます。
    • (Color): ゲインを調整してカラーを調整します。(これは、Valve Index、Vive、およびVive Proで機能します。)ヘッドセットがゲイン調整に対応していない場合は、Use Overlay For Colorを参照してください。
  • SuperSampling: アプリケーションのスーパーサンプリング値(ダッシュボードを更新するか、SteamVR/OpenVRを再起動する必要があります)を調整します。
    • Toggle Override: 推奨値と異なるユーザー設定値を使用します。
  • Video Profiles: ユーザーは設定を保存し、ドロップダウンメニューから素早く適用できます。
  • Misc:
    • Motion Smoothing: モーションスムージングの有効/無効を設定します。
    • Advanced SS Filtering: 視点から遠い位置にあるテクスチャの表示品質が上がるようにテクスチャフィルタリングの有効/無効を設定します。(デフォルトはオンです。)
    • Use Overlay for Color: ハードウェアに備わる機能を使ってゲイン設定をするのではなく、オーバレイを使って擬似的に色味を調整します。 (全てのHMD機種で利用できます。)

Overlay Override

  • Brightness: 通常の設定と同じ
  • Opacity: オーバーレイの透過度を調整します
  • (Color): オーバーレイの色味を調整します。

色味の調整は、表示パネルとして液晶を採用しているHMDで特に便利な機能です。

Utilities ページ

Utilities ページ

  • Keyboard Utilities: 一部のアプリケーション(MODでVRに対応させた2Dモニタアプリケーションの大半)はVRキーボードをサポートせず、テキスト入力用に実際の物理キーボードが必要です。このユーティリティを使用すると、VRキーボード入力からこのようなアプリケーションにエミュレートされたキー入力を送信して、この制限を克服できます。デスクトップモードでは動作しません。OpenVRAdvancedSettings.iniの[utilitiesSettings]にvrcDebug=trueを追加すると、VRChatデバッグオーバーレイキーバインドにいくつかボタンが表示されます。Keyboard Inputボタンは、ここの説明どおりに動作します。
  • Alarm Clock: 大切な予定を逃さないシンプルなアラーム時計です。VRは良く時間の感覚を混乱させます。デスクトップモードでは動作しません。
  • Media Control Keys: メディアキーを使用してメディアプレーヤーを制御できます。これは、キーボードにメディアキーが付いていて、それを押した場合と同じです。ほとんどの一般的なメディアプレーヤーでサポートされているはずです。

Statistics ページ

Statistics ページ

  • HMD Distance Moved: xz平面上でヘッドセットが移動した距離を示します。
  • HMD Rotations: Y軸を中心とした回転数を示します(絡まったコードをほどくのに便利)。
  • Left Controller Max Speed: 左コントローラの最大速度を表示します。
  • Right Controller Max Speed: 右コントローラの最大速度を表示します。
  • Presented Frames: 現在実行中のアプリケーションからHMDに表示させたフレームの数。
  • Dropped Frames: 現在実行中のアプリケーションでドロップされたフレームの数。
  • Reprojected Frames: 現在実行中のアプリケーションでリプロジェクションされたフレームの数。
  • Timed Out: 現在実行中のアプリケーションがタイムアウトになった回数。
  • Reprojection Ratio: 表示されたフレームの中でリプロジェクションされたされたフレームの割合。

Settings ページ

Settings ページ

  • Autostart: 自動起動を有効/無効を設定します。
  • Allow External App Chaperone Edits: 他のアプリケーションによって行われたシャペロン境界と中心設定への変更を許可します。これらの変更はAdvanced Settingsを使用した予測不可能なアプリケーション操作を含みます。したがって、このオプションを使用すると、シャペロン境界の不整合や破損が発生する可能性があります。ただし、他のシャペロン境界調整ツールをAdvanced Settingsと連携させることもできます。このオプションは、他のアプリケーションとの互換性のために必要な場合にのみチェックしてください。注意:変更は、オフセットと回転がすべて0の場合にのみ有効になります。**
  • Old-Style Motion: シャペロン境界の中心と境界をフレームごとにディスクに書き込む古いシステムを使用します。このオプションは、プレイスペースをドラッグした後に位置が元の場所に戻ってしまうなど、プレイスペース調整に問題がある場合にのみ使用してください。この古いモードはほとんどのシステムではスムーズに動作しますがが、理論上には通常の方法よりもパフォーマンスが劣ります。
  • Universe-Centered Rotation: 中心をHMD起点では無くではなく、プレイ空間の中心を起点にして回転させます。(HMDでピボットを自動補正するオフセットを無効にします。)
  • Enable Motion Features When in Seated Mode: Advanced Settingsにより、着席型のアプリケーションでの位置が正しくない場合は、このチェックボックスをオフにします。(着席モードの扱い方はアプリによって異なり、Advanced Settingsの互換性が低いアプリもあります。)。注:オフにすると、 Space OffsetsおよびMotionページのすべての機能が無効になります。
  • Disable Automatic Crash Recovery of Chaperone Config: これにより、正常にシャットダウンされなかった後の起動時に、最後に正しく自動保存されたシャペロンプロファイルが自動適用されることを防ぎます。
  • Disable Notification of Newer Version Availability: これにより、新しいバージョンの起動時チェックがオフになります。(手動でチェックはできます。)
  • Disable App Vsync: Advanced Settingsのカスタムな更新レートを設定できます。(リフレッシュレートが非常に高い、または非常に低いHMDで役立つ可能性がある)。

SteamVR用ツール・HTC VIVE/Valve Index関連記事

SteamVRがカク付くことがある場合に、見直すべきことをまとめています。

Oculus RiftシリーズやOculus Linkを使っている場合はOpenCompositeというソフトを導入すると良いかもしれません。

SteamVRを使って、普通のゲームを平面では無く立体で遊ぶ方法の紹介です。

プレイスペースの調整時にケーブル長が足りないと感じた場合は、延長を検討してみるのも良いでしょう。

スポンサーリンク