Xbox・Switchなどの一般ゲームをVRの大画面で遊ぶ方法
PlayStaion4はもちろん、XboxやSwitchの非VRゲームも、VR機器が作り出す仮想空間の大画面でプレイ出来ます。
この記事ではその方法について紹介します。
一般のゲーム機のゲームタイトルをVRで楽しむためには大きく分けて方法が二つあります。
PlayStation VRの場合
PlayStation VRにはシネマティックモードと呼ばれる機能があります。この機能を使うことで一般のゲーム以外にも、Blu-rayディスクの再生など、PlayStation4が持つ全ての機能を、VR空間内の大画面で楽しむ事が出来ます。追加の機材は何も必要ありません。
実はこの機能、PlayStationVRのコントロールボックスに接続できるHDMI機器であれば、何でも使えます。なので、ここにPlayStation4以外のゲーム機、例えばXbox OneやNintendo Switchなどをつないで楽しむ事が出来ます。もともとPlayStation4のゲームを楽しむための機能ですから、表示遅延もほぼありません。映像は若干ぼけますが、動きの激しいアクションゲームも問題なくプレイすることが出来ます。
仮想スクリーンの大きさは3種類から選ぶことができ、公式マニュアルによると次のような仕様になっています。
- 小:約2.5メートル先に117インチ相当、画角54度
- 中:約2.5メートル先に163インチ相当、画角71.5度
- 大:約2.5メートル先に226インチ相当、画角90度
メリットは?
PlayStation VRで一般のゲーム機を楽しく場合、既に書いたとおり、以下のメリットがあります。
- PlayStation VRの一式があれば、追加の機材が必要なく、すぐに試せる
- 遅延がほぼ無い
注意点、デメリットは?
PlayStation4 本体が必要
PlayStation VRをPlayStation4に接続せずに利用しますが、設定は全てPlayStation4に接続して行います。そのため、他のゲーム機に接続することだけが目的だったとしても、PlayStation4は必要と考えて下さい。無いと初期設定の他、スクリーンサイズの変更が出来なくなります。
機能が制限される
PlayStationVRが持つ位置トラッキングは、PlayStation4本体およびPlayStation Cameraと協調して行われます。一方、他のゲーム機と接続していてPlayStation4と接続していない状況だと、PlayStationVRヘッドセット本体のみで頭の位置・方向の検出を行うようになります。この違いにより、頭を動かした時の挙動が異なります。言い換えると、本来の6DoF動作にはならず、Oculus GoやスマホVRの様な3DoF動作になります。
また、原点リセットするための方法がありません。PlayStation4との接続中は、コントローラを操作することで原点のリセットが出来ますが、他のHDMI機器との接続中はこの機能が使えません。そのため、ゲームをプレイする位置を実空間上で決め、PlayStationVRヘッドセットの位置を固定した状態で、HDMI機器の接続をするか電源を入れ直さないといけません。
Oculus Rift・HTC VIVEの場合
PCと接続して使うタイプのVR機器の場合、PC側に追加の機器が必要です。具体的にはキャプチャカードと呼ばれる映像を取り込む機材が必要になります。この機材は安いものでは1万円程度、高いものでは3万円以上する物もあります。
今回の場合、利用用途がゲームですので、それなりにスペックの良い物が必要になります。ここでオススメするのは以下の二つです。PCIeのボードになっていますので、ノートPCには使えません。
- 価格 : ¥14,799
- Personal Computers
- メーカー : CORSAIR
- 商品ランキング : 98,798 位
- 価格 : ¥16,757
- Personal Computers
- メーカー : AVERMEDIA
- 商品ランキング : 16,783 位
どちらも大体同じぐらいの性能を持ちますので、単純に安く買える方を選べば問題ありません。
このようなキャップチャカードを用意した上で、VRの仮想デスクトップソフトを使い、デスクトップ上にキャプチャした画面を表示させれば、無事ゲーム機のゲームをVRの仮想スクリーン上で楽しめます。
利用するソフト
具体的には、次のようなソフトを使うと良いでしょう。
キャプチャソフト
キャプチャカードから入力される映像を単に画面上に表示させるだけの目的に使います。
- Bandicam (キャプチャしなければ無料)
- OBS studio (無料)
仮想デスクトップ
デスクトップに表示されたキャプチャソフトのプレビュー画面を、VR空間内に表示させるために使います。
- Oculus Dash (Oculus Rift 専用、初めから入っている)
- Virtual Desktop (1,480円)
- Bigscreen (無料)
メリットは?
画面が鮮明
Oculus Rift/HTC VIVE/HTC VIVE Proの高解像度パネルを使えるため、画面のぼやけが少なくなります。PlayStation VRは網目感を感じにくいので一概に表示品質を比較しづらいですが、少なくとも細かい文字の視認性はPCのVR機器を使った方が上と言えます。
本来のVR動作になる
PlayStationVRのように中途半端な3DoF動作になったりもせず、普段通りのVR体験で仮想スクリーン上のゲームを楽しむ事が出来ます。
注意点、デメリットは?
遅延がある
現存するキャプチャカードは、一度画面全体をデータとして取り込んでからPCに転送し、それを描画する仕組みになっています。そのため、実際にゲーム機が映像を出力してから、PCの画面に表示されるまでに遅延があります。具体的には3フレーム(約50ms)から大きいもので10フレーム(約170ms)になります。
上で紹介している二つのキャプチャカードは高速なPCEeのインタフェースを採用しており、遅延が少ないことを売りにして業界最速をうたっているものです。それでも遅延は3-4フレーム(約50-60ms)あります。そのためタイミングがシビアなアクションゲームを遊ぶのにはあまり向きません。とはいえ、気づかない人は言われないと気づかない程度ですし、気づいても慣れてくるので、対戦型のゲームで無ければギリギリ許容範囲内ではあると思います。
追加費用が高い
紹介したキャップチャカードは大体20,000円から25,000円するため、ゲーム機のゲームをVRで楽しくためだけにかける費用としては若干高く感じます。もちろん本来の用途である録画や実況配信といった用途にも使えるため、それなりの価値はあるのですが、そういった用途に使う用途が無い場合は考え物かもしれません。
遅延に妥協できるのであれば、もう少し安いUSB接続タイプの物を選ぶのも良いでしょう。USB接続タイプであればノートPCでも使えます。もしここで紹介したもの以外を選ぶ場合、必ず「ソフトウェアエンコードタイプ」のキャプチャ機材を選んで下さい。「ハードウェアエンコードタイプ」は録画が安定しますが、プレビューの遅延が大きい傾向があります。
まとめ
遅延が少なく追加費用が無いPlayStationVR、画面が鮮明だけど遅延があって追加費用がかかるPC VRとどちらも一長一短があります。どちらかというと、アクションゲームならPlayStationVRが向いていて、文字の多いRPGであればPC VRが向いていると言えるのでは無いでしょうか。
いつも遊んでいるゲームが200インチ超の大画面で遊べる、というのはなかなか壮観ですので、機会があれば是非試してみて下さい。
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