Oculus Go/Gear VRでSteamVRのゲームを楽しむ方法

2019年3月30日

PCと接続することでOculus Go/Gear VRでSteamVRのPC向けソフトを楽しむ方法について解説します。Oculus Questについてはこちらの記事も見て下さい。

Oculus Go/Gear VRにはAndroidベースのコンピュータが入っているため、そのままではSteamVRのようなPC向けプラットフォームのソフトを動かすことは出来ません。

ですが、VRのソフト自体はPC側で動かし、ヘッドセット側の動きをPCに送信してその結果を映像としてヘッドセットに送り返すことで、擬似的にSteamVRのソフトを動かすことは出来ます。この記事ではその方や必要な物について説明していきます。

必要なもの

SteamVRがインストールされたPC

PC側でOculus RiftやHTC VIVEを使ったときと同じようにVR向けソフトを動かします。そのためPCに必要なスペックもこれらVR機器を使ったときに必要なスペックと同じだけの性能が必要になります。

SteamVRは、PCゲーム最大の配信プラットフォームであるSteamのVR専用マーケットです。HTC VIVE・Oculus RiftなどのPC向けVRソフトのほとんどがこのプラットフォームを通じて配信されており、またVRのプログラム自体もSteamが用意した仕組みを使って動作しています。

世界最大のVRマーケットSteamVR

VRに対応したNVIDIA/AMD製グラフィックスカード

同じくOculus RiftやHTC VIVEを動かす際に必要な機材です。加えてNVENC/UVDと呼ばれるGPUの機能をつかった動画エンコード機能も利用できる必要があります。基本的にVR対応と言われている新しい世代のグラフィックスカードであればこれらの動画エンコード機能を持っています。

VRに最適なグラフィックスカードの選び方

802.11acもしくは802.11nに対応した無線LANアクセスポイント

Oculus Go/Gear VRは、無線LANを経由して、PCにヘッドセットの動きを伝えたり映像を受け取ったりします。特に映像は30Mbps前後とビットレートが高く、通信の安定性が求められます。また遅延が少ないことも重要です。

このため、5GHz帯を使って高速な通信が出来る802.11ac対応のアクセスポイントが必要です。802.11nでも5GHz帯に対応していればギリギリ問題ないとは思いますが、一度使ってみて普段使いする可能性がありそうなら802.11ac対応のアクセスポイントに乗り換える方が良いでしょう。

オススメはTP-LINK社のアクセスポイントです。日本ではあまり聞き慣れませんが、海外ではトップシェアのメーカーで有り、大きめのアンテナにより電波が遠くまで届くのと、多数の端末をつないでも安定しているのが特徴です。もちろんパッケージからUIや説明書は全て日本語に対応しています。

ある程度予算がさけるのであれば、Archer A10がその中でも一番オススメです。MU-MIMO対応で複数の端末に同時に電波を送信できるため、多数の端末がつながっても電波が混信しません。逆に言うとこれ以上高いモデルは、高性能すぎてよっぽどのことが無い限り性能を持て余すように思います。

値段の安さを重視するのであれば、Archer C6がコストパフォーマンスが良くオススメです。最大通信速度は劣りますが、こちらもMU-MIMO対応です。

ヘッドセットとSteamVRを連携させるためのドライバソフト

SteamVRは本来HTC VIVEやOculus RiftのようなPC向けVRヘッドセットと組み合わせて使うようになっています。そのため、これらのPC向けヘッドセットを持っていない場合は、あたかもそれらが存在するかのようにSteamVRをだます(エミュレーション)するソフトウェアが追加で必要です。このソフトウェアがSteamVRをだましつつ、Oculus Go・Gear VRとのやりとりを仲介することになります。

この種の非公式ソフトはRiftcat/VRidgeTrinusVRAMD Radeon™ ReLive for VRなど新旧色々な種類のものが存在します。この記事では比較的完成度が高く、無料で使えるALVRを使った方法について紹介します。

Riftcat/VRidgeやTrinusVRは、Cardboardなど一般のAndroidでも利用できるVRにも対応しているため、Oculus GoやGear VR等を持っていない場合はこちらを使ってみるのも良いでしょう。

設定方法

SteamVRのインストール方法

まずPCでVRソフトを動かすのに必要なプログラムであるSteamVRをPC側にインストールします。

Steam本体のインストール

Steam公式サイトからSteam本体のセットアッププログラムSteamSetup.exeをダウンロードして実行します。アカウントも必要なので指示に従って作成して下さい。

SteamVRの追加インストール

  1. Steamを開いてストアの画面が開いたら「ライブラリ」→「ツール」を順に選択します。
  2. 「SteamVR」がリストに見つかりますので、右クリックして「ゲームをインストール…」を選択しインストールします。

ALVRサーバのインストール

Windows PCに映像を配信するサーバプログラムをインストールします。

  1. ランタイムライブラリVC_redist.x64.exeをダウンロードして実行します。既にインストール済の場合はその旨表示されます。
  2. 配布ページからALVRのセットアッププログラムALVR-setup-2.3.1.exeをダウンロードして実行します。

ALVRクライアントのインストール

方法その1) 直接インストール

  1. GearVR / OculusGo のブラウザでRedeem Key配布ページを開きます。
  2. 表示されたキーをOculusストアの「コード利用(Redeem)」のところで入力します。
  3. ALVRのクライアント購入済欄に出てきてダウンロードできるようになります。

方法その2) PCから権利取得後、インストール

  1. PCのブラウザでRedeem Key配布ページを開きます。
  2. 表示されたキーをOculusサイトのコード利用のページで入力します。
  3. ALVRのクライアント購入済欄に出てきてダウンロードできるようになります。

使用方法

サーバの起動

  1. ALVRを管理者で起動します
  2. Otherタブを選択してApply offsetにチェックを入れ、真ん中のテキストボックス(Y)に1.2と入力します
  3. Start serverを選択します。
  4. ファイアウォールの許可設定ダイアログが出たら「アクセスを許可する」を選びます。
  5. 次のような画面になったら準備完了です。(右下の黒いSteamVRのウィンドウは別の場所に出ているかもしれません)

クライアントの起動と接続

  1. ヘッドセット側のメニューからALVR Clientを起動します
  2. PCのサーバ側の画面でConnectを選びます

トラブルシューティング

頭が地面に埋まっている、もしくは視点の高さがおかしい

初期位置の設定がうまくいっていません。サーバ起動の手順で入力したテキストボックスの値がうまく反映されていない可能性があります。入力内容を見直してサーバを再起動してみて下さい。

0だと頭が地面に埋まった状態になりますが、高さが微妙におかしい場合は入力した数値を微調整してみて下さい。

「Connected! Streaming will begin soon.」と表示されて先に進まない

サーバから映像データは受信できている物の、それがうまく動画として再生できていない状況です。原因としては次の二つが考えられます。

ビデオ設定がおかしい

ビットレートや解像度がヘッドセット側で扱えない形式になっています。ビットレートや解像度を下げてサーバを再起動してみて下さい。初期設定がALVR開発者の推奨設定のようですので、うまくいかない場合は初期設定と同じにしてみると良いでしょう。

OSのバージョンが古い

Oculus Goの場合はOSのバージョンという概念がありませんが、GearVRは実態がGalaxyですので一般的なスマートフォンと同じOSバージョンの概念があります。そして初期のGalaxyはAndroidのバージョンが古く、一部の動画再生がうまくいかない場合があります。実際にAndroid 5.0ではALVRがこの状態になりうまく動作しませんでした。

ALVRを使う場合は、使用しているGalaxyのAndroidのバージョンが7.0(Nougat)以降であることを確認して下さい。GearVRに対応するGalaxyのほとんどが7.0以降へのバージョンアップに対応しています。

またVulkanといった最新のグラフィックスAPIのサポートも強化されているため、ALVRに関係なくGearVRを使う場合は、Androidのバージョンを7.0以降にしておくことが強く推奨されます。

画像が乱れる・ブロックノイズが乗る

PCから送信される映像が正しく受信できていないことが原因です。原因としては次の二つが考えられます。

画質が良すぎる

設定したビットレートが高すぎて受信が追いついていない可能性があります。この場合Videoの設定からビットレートを下げてみて下さい。

無線の伝送品質が悪い

設定したビットレートが30Mbps程度であるにもかかわらず、症状が起こる場合は無線で伝送するときにエラーが多く発生してデータが欠落している、もしくはデータが詰まっている可能性があります。

無線LANアクセスポイントが802.11acに対応しているか、またアクセスポイントから離れすぎたりしていないかを確認してみて下さい。

特にアンテナを内蔵していたり小さかったりするデザイン重視のモデルは注意が必要です。壁を一枚挟むだけで極端に通信品質が下がる事もあります。その場合は、アンテナが複数かつ出っ張った遠くまで安定して電波を届けられるアクセスポイントへ交換することも検討して下さい。前述のオススメ製品であればこれら点を気にする必要はありません。

最後に

Oculus Go・Gear VRでSteamVRのソフトウェアを動かす方法について紹介しました。

しかしながらSteamVRではは頭の向き(3DoF)だけではなく頭の絶対位置の追跡(6DoF)に対応しているソフトが主流で有り、ケーブルが無くなる別世界の快適性が得られるものの3DoFのOculus Go・Gear VRではSteamVRの魅力全てを引き出せているとは言えません

その反面、Oculus Questは6DoFかつタッチコントローラ対応であり、PC向けでは無いもののVRヘッドセットとしてのスペックはOculus RiftやHTC VIVE以上です。もしOculus QuestにALVRが完全に対応すれば、安価で魅力的なSteamVR対応ヘッドセットになる可能性があります。

Oculus Questと他のスタンドアロンVRのスペックを比較してその凄さを知る(Vive Cosmosも追記)

一方、HTCはOculus Questと同じ6DoFかつタッチコントローラ対応のVRヘッドセットVIVE Cosmosを発表していますが、こちらも同様に映像を伝送する方式でSteamVRに公式で対応しています。こちらも価格次第では魅力的な選択肢になりそうです。

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