Oculus QuestでSteam VRのゲームを動かす(Riftcat/ALVR/VirtualDesktop)

2019年5月24日

OculusQuestでSteam(SteamVR)のアプリを動かせるようになったのでその方法を紹介します。ちゃんと両手のタッチコントローラ込みで6DoFで動きます。

Android系ヘッドセットでPCと接続してSteamVRを動かすことが出来るソフトはいくつかあるのですが、その中ではRiftCatとALVRがOculus Questに対応しています。このRiftCatとALVRは両方ともベータ版で導入方法が複雑なので、この記事ではそれぞれのセットアップ手順を説明していきます。(追記:後日VirtualDesktopも対応したので、手順を追記しました。)

SteamVRのソフトをプレイするには、どれか1つの環境を用意すれば十分ですが、時間があればそれぞれを比べてみるのも悪くないと思います。

必要な機材とSteamVRの設定

必要な機材とSteamVRの設定については、Oculus Go/Gear VRにおけるALVRの導入と事情は同じです。事前にSteamVRのインストールを済ませておいて下さい。

Oculus Go/Gear VRでSteamVRのゲームを楽しむ方法

事前準備

開発者モードの有効化と開発環境の設定

非公式アプリのインストール方法の手順に沿って非公式アプリのインストール環境を整えます。(上級者向けのインストール方法はこちら。)

「開発者モードの有効化」と「USBドライバのインストール」が、少々わかりにくく手間のかかるポイントになっています。

SideQuestを使ってOculus Questに非公式アプリ(apk)を楽々インストール

Oculus Quest/Oculus Goに非公式アプリ(apk)をインストールする(上級者向け)

設定方法・使い方:RiftCat編

RiftCatは、AndroidベースのVRプラットフォームの元祖であるGearVRの時代から存在する、老舗のSteam連携ソフトウェアです。

GoogleのDayDreamやHTCのVive Focusなど、多彩なプラットフォームに対応しているのが特徴です。Oculus Quest対応も一番早かったのですが、現在はOculus Quest向けの機能開発は止まっているようです。

時間制限について

RiftCatは有料アプリとなっています。価格は$14.99(約1,650円)でPayPal経由で支払います。

お金を払わなくても動かすことは出来ますが時間制限があります。初期状態では5分まで、無料でアカウントを登録すると10分まで利用することができます。SteamVR側のアプリを起動し直せば時間はリセットされるので、どんな物か一通り試して見るのには十分だとは思いますが、がっつり遊ぶにはお金を払う必要があることに注意して下さい。

アカウントはRiftCat公式サイトのトップページ上の登録ボタンから作成できます。

絶対無料じゃ無いと嫌だ、という人は後述するALVRを試してみて下さい。

RiftCatクライアントのインストール

  1. RiftCatサイトのHow to install VRidge on Oculus Questからベータ版のapkをダウンロードします。
  2. 非公式アプリのインストール方法の手順に沿って、VridgeQuest2.apkをインストールします。

PC側の設定

SteamVRのセットアップを終えてからRiftCatのサーバをセットアップします。

  1. RiftCatのサイトからインストーラーをダウンロードします。
  2. インストーラーを実行します。

これでセットアップは完了です。

接続

いよいよPC上のSteamVRとOculus Questの接続です

  1. PC側のRiftCatアプリを起動します。
  2. Oculus Quest側でRiftCatアプリ(VRidge 2 Beta)を起動します
  3. PC側で意図したデバイス聞かれるので「はい」を選びます。
  4. PC側が以下のような準備完了画面になり、Oculus Quest側もPC側の操作を待つように指示されます。
  5. PC側で左上の再生ボタンを押すと、SteamVRが起動し、初回セットアップの画面になります。ひとまず立位で適当に設定を済ませても問題ないようです。
  6. SteamVRの初回セットアップが終わるとOculus Quest側におなじみのSteamVRの画面が表示されます。

設定方法・使い方:ALVR編

ALVRは後発のSteamVR連携ソフトウェアです。オープンソースで開発されており、全機能を無料で利用できます。

元々は、nvidiaのクラウドゲーミングプラットフォームGeforce Nowの互換クライアントであるmoonlightの技術がベースになっており、エラー訂正などのゲームストリーミングに必要な機能が実装されているのに加えて、Asynchronous Timewarpといった、Oculusプラットフォーム向けの最適化もされています。

この記事更新時の最新はv2.4.0-alpha5です。このバージョンでOculus Quest関連の不具合は概ね修正されており、利用にあたって特に不自由は無い完成度になっています。何かおかしな動作をしていたら、同様の報告が無いかGitHubのIssueで探してみて下さい。

ALVRクライアントのインストール

  1. アルファ版のリリースページからALVRClient-GithubNormalOvr-release-v2.4.0-alpha5.apkをダウンロードします。
  2. 非公式アプリのインストール方法の手順に沿って、ALVRClient-GithubNormalOvr-release-v2.4.0-alpha5.apkをインストールします。

PC側の設定と接続

SteamVRのセットアップを終えてからALVRのサーバをセットアップします。
ダウンロード先がクライアントと同じアルファ版のリリースであること以外は、通常のALVRサーバーのインストール方法と同じです

設定方法・使い方:VirtualDesktop編

VirtualDesktopは、PCのデスクトップ画面をVRで直接操作するためのソフトウェアです。

もともとはOculus Rift/HTC ViveといったPC VRのソフトで、Oculus Ritf/HTC Viveが動作している同一のPC上のデスクトップを操作する機能しかありませんでした。その後、Oculus Questに対応し、画面のストリーミング機能が追加されました。

VirtualDesktopのストリーミング機能は、前述のALVRを参考に実装されており、さらなる安定化や機能が追加された形になっています。

つまり、Oculus Questでは、リモートデスクトップのように使うのが基本的な利用方法になります。その追加機能としてSteamVRにも対応し、デスクトップからSteamVRのアプリを起動すると、それが平面では無くVRのアプリとしてシームレスに利用することが出来るようになっています。

現在もストリーミング機能の強化を含んだアップデートが精力的にされているようです。

VirtualDesktopの購入

VirtualDesktopは、Oculusのストアで公式に販売されているアプリですので、まずはOculusストアで購入する必要があります。価格は1980円で試用版は無く、クロスバイにも非対応です。

試用版はありませんが、動作に問題があった場合、購入から2週間以内かつ起動時間が2時間以内であれば返品が可能です。

VirtualDesktopクライアントのインストール

ストアから購入すると、クライアントアプリが自動的にインストールされますが、ストア版クライアントはSteamVR連携機能を持っていません。これはOculusのポリシーにより、SteamVRと連携する機能を持つとストアで公開できない決まりになっているためです。このポリシーはOculus Questのブランドに傷をつけるような、悪いVR体験を排除するため設けられたとのことです。

そのため、SteamVRに対応するクライアントを別途VirtualDesktopのサイトから手動でダウンロードしてインストール必要があります。

ダウンロード場所はわかりにくいですが、右側の「Can I play SteamVR games?」の「You can download the apk manually from here.」のVirtualDesktop.Android.apkのリンクからダウンロードできます。

VirtualDesktopのサイトで説明されているように、SideQuestを使うとこのダウンロードとインストール作業をメニュー操作により簡単に行うことが出来ます。

SideQuestを使ってOculus Questに非公式アプリ(apk)を楽々インストール

実際にインストールする手順は以下のようになります。

  1. 左のメニューから「VR Apps」を選択
  2. Virtual Desktopの「MODE」を選択
  3. バージョンの一覧が用事されるので「INSTALL」を選択

もしVirtualDesktopがメニュー上に現れない場合は、SideQuestが最新版であるかを確認してみて下さい。

ベータ版の入手

以上は安定性が確認された正式リリース版の入手・インストール方法でしたが、VirtualDesktopは正式リリース前にベータ版が提供されることがあります。ベータ版を利用すると正式リリースに先駆けて新しい機能を利用することが出来ます。

ベータ版はVirtualDesktopのDiscordコミュニティー(チャットのサイト、登録不要)から入手できます。

インストール方法は公式サイトからapkファイルを入手した場合と同じです。

PC側の設定と接続

SteamVRのセットアップを終えてからVirtualDesktopのStreamerをセットアップします。StreamerはVirtualDesktopのサイト一番上の「Download Streamer App」からダウンロードできます。ファイル名はVirtualDesktop.Streamer.Setup.exeです。

セットアップ自体は、ダウンロードしたプログラムを起動して「Next」を選んでいくだけで終わりです。

Streamerが無事起動できるとこのようなウィンドウが出ます。

動画や通信に関する設定項目は存在しないので、特に何も変更する必要はありません。細かいチューニングはできないものの、これはこれで楽ですね。

RiftCat/ALVR/VirtualDesktopのどれがおすすめ?

ケーブルレスでSteamVRを楽しむためのソフトと、その使い方を紹介しました。最後にどのソフトがどういいのかをまとめます。

ひとまず試す分には、やはり無料のALVRがオススメです。現バージョンではOculusQuest関連の不具合はほぼ直っており、以下の点でRiftCat/VirtualDesktopに勝っています。

  • 250Mbps までのビットレートを設定でき
    • RiftCatは50Mbpsまで
    • VirtualDesktopは変更不可・機能追加の予定あり
  • HEVCコーデックを直接NVEnc経由で使える
    • RiftCatはDirectX経由のみ
    • VirtualDesktopは、NVEnc使用時は常にHEVC+150%解像度
  • Asynchronous Timewarpに完全対応している
    • 他は言及無し、おそらくVirtualDesktopは対応

※VitualDesktop関連の情報は@tonavrcさんからコメントにて頂きました。

今となってはVRには欠かせない技術Asynchronous Timewarpについて知っておく

ALVRは最初は画質が思うように良くならなかったのですが、ハードウェアからきちんとチューニングすれば画質と遅延も我慢できる範囲に出来ることも分かりました。遅延重視のチューニングをすればBearSaverやAirtoneSoundBoxingなどの音ゲーも問題なく遊べます。

このあたりのノウハウは別記事にまとめています。

徹底的にALVRの遅延と画質をチューニングする

一方でVirtualDesktopは、単なるSteamVRとの連携だけで無くWindowsのデスクトップも普通に操作できるところが魅力的です。

SteamVRのソフトを起動するまでにWindowsデスクトップ上で操作が必要だったりしますから、いちいちWindows画面とOculus Questの画面を行ったり来たりする手間が省けます。デスクトップ操作ソフトとしても、PC VRの時代からの積み重ねがありますから完成度も高いです。

肝心のSteamVR連携についても、細かいチューニングは出来ない物の、デフォルトで安定して動作します。ALVRを使っていると、チューニングを突き詰めても、たまにカク付いたり、喪失パケットの復元失敗により画面が乱れたりするのですが、VirtualDesktopだとその頻度が低いように見えます。

と、いいことだけ並べましたが、VirtualDesktopは1980円の有料ソフトで、試用が出来ませんので、手放しでオススメできるかと言われると微妙なところです。RiftCatは試用もできVirtualDesktopよりもわずかに安価ですが、VirtualDesktopの機能と比べると割高に思えてきます。

まとめると、まずALVRを試してみて可能性を感じたら、返品も視野に入れつつVirtualDesktopを試してみる、というのがいいのではないでしょうか。

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