音は重要!VR向けイヤホンを選ぶ4つのポイント

2019年3月18日

VRといえば視覚が全てと思いがちですが、実は聴覚も没入感を高めるのに非常に重要です。VIVE/PlayStation VR/Gear VRではイヤホン・ヘッドホンを自分で用意する必要がありますが、この記事ではどんな物を選べばいいのかを解説してきます。

なぜVRに音響が重要なのか

VRでは、仮想空間上における「自身が居る位置」と「音源の位置と聞こえてくる方向」から高度なシミュレーションを行い、その結果を左右の耳に届けることで、あたかも実際にその方向から音が鳴っているように錯覚させるような技術が用いられています。

例えば、仮想空間上の頭上で爆発音がしたとすると、まるで頭の上で音が鳴ったかのように錯覚するような音声を計算します。これは左右の音量バランスを単に調整しただけでは不可能です。

このような技術は一般的に3Dオーディオ技術と呼ばれています。この技術によりVRの没入感を高めることが出来るのですが、この機能を活かすためにはシミュレーションされた結果の音声を、忠実に耳に届けることが重要になってきます。そこで、イヤホン・ヘッドホンの選択がVRの真価を引き出す決め手になってくる訳です。

100円ショップのイヤホンやスマートホンに標準で付いてくるようなイヤホンは表現力が低く、VRに適しているとは言えません。(中でもiPhoneに付いてくるイヤホンはかなり酷いです。)大金を出してVR機器を買った訳ですから、音響にもそれなりのお金をかけた方が満足度が上がります。

OculusシリーズやHTC VIVE Proには初めからヘッドフォンが組み込まれているため、このような事を気にする必要はありません。

Oculus Riftの音響が優れている理由

VRの真価を引き出すイヤホンを選ぶポイント

装着性

VRを楽しむ上で音質的にはイヤホン・ヘッドホンどちらでも問題は無く、むしろヘッドホンの方がコストパフォーマンスが良い傾向にあるのですが、その代わりに装着時の物理的な干渉に気をつける必要があります。干渉しないようにヘッドホンを装着しようとすると、製品が元々想定していないような変な装着の仕方をする必要が出てくるせいで、長時間の利用に向いていなかったりヘッドホンの実力を発揮できなかったりする場合があります。そのため、これらのVR機器で利用するのは物理的な干渉をする可能性のあるヘッドホンでは無く、比較的制約の少ない付け方が出来るイヤホンの方がオススメです。VIVE / PlayStation VR / Gear VRはそれぞれ装着の仕方は違いますが、大体同じようなことが言えます。

もちろん、PlayStationVRの場合だけこのヘッドホンがぴったり装着できる、というのがあってそれを追求する事を否定はしないのですが、そもそもヘッドマウントディスプレイとヘッドホンの併用は窮屈ですから、この記事では比較的応用が利く選び方を説明する事に重きを置いてイヤホンを中心に解説していきます。

HTC VIVE(Proではない)にはデラックスオーディオストラップと呼ばれる純正オプションがあり、装着性に関してはとても良いのですが、値段と音質を考えるとやや微妙です。

周波数特性

信号として記録された音が実際にイヤホンから出力される時には、その音声波形にはある一定のクセを伴います。クセというのは低音が強めに鳴るとか、高音が強調されるとか、そういった特徴のことを指します。よく音の鳴り方を「ドンシャリ」と表現することがありますが、これもクセの一つです。一般的にこのクセのことは周波数特性と呼ばれています。

このような周波数特性は、音に追加の味付けをする目的で調整された結果、生まれるものです。例えば音楽を楽しむ目的において、音に広がりを追加したり、臨場感をもたらしたりする効果があります。

しかしながらVRにおいては、音楽のような特定の目的をもった鳴らし方をするわけでは無く、こういった味付けは不要です。仮想空間をシミュレートした結果を忠実に鳴らせる事が重要です。

つまり、低音と高音が区別無く同じように鳴り、原音に忠実である、言い換えると周波数特性がフラットであることがより最適であると言えます。

ハイレゾ対応

ハイレゾというのはHigh Resolution、つまり音の解像度が高いという意味です。実はこの用語、映像に由来しており、音声に適用する際には微妙に意味が変わっています。一般的にハイレゾ対応のヘッドホン・イヤホンというと、より高い周波数の音が鳴らせることを指します。音のきめ細かさを表すような意味を含めることもありますが、20kHz~24kHz以上の周波数の音を鳴らせる事がハイレゾであるとされており、それ以上の意味はありません。

VRでは3Dオーディオと呼ばれる音響シミュレーションにより臨場感を高めているのは前述の通りですが、この技術では元々の音からの位置計算だけで無く、反射音や残響音なども細かく計算します。その結果には一般的な可聴領域(人の声や普段気にしている音の範囲)よりも高い周波数の音が多く含まれています。このようなシミュレーション結果を忠実に再現するためには、イヤホン自身が高い周波数の出力に対応している、つまりハイレゾ対応であることが重要になってきます。

ハイレゾというと音楽にだけ関係のある概念と思われがちですが、VRにもとても重要というわけです。

価格

最後に価格です。周波数特性がフラットであることがVRに適している事は前述の通りですが、フラットであると言うことは製品自身の実力のごまかしがききづらくなります。つまり、製品自体に高い品質が求められ、フラットさを追求すると価格も高くなる傾向があります。

一方でVRには聴覚が重要と行っても、あくまでも主役は視覚です。聴覚は脇役に過ぎません。予算に余裕があればよりよい物を追求すれば良いのですが、VRは只でさえお金がかかりますから、高いイヤホンを買うぐらいであれば、PCの性能を上げたり、魅力的なコンテンツを購入したりする方にお金をかけるべきです。

ですので、VR向けイヤホンにさける予算としては5000円を限度に考え、コストパフォーマンスを重視するのがバランスが取れていると言えます。もちろん、音楽鑑賞用途と兼用するのでより高い製品を狙う、と言うのもありですが、VR機器を使うたびに線をつなぎ直すのも手間ですので、VR専用に使うつもりで用意するのが無難かもしれません。

当サイトが選ぶVR向けイヤホン

以下が前述の観点から選んだオススメのイヤホンになっています。余裕があれば、買う前に家電量販店で試聴をオススメしますが、肝心のVR用途においては試聴するのは難しいので、ある程度はリンク先のレビューをもとに想像でエイヤで選ぶことにはなります。予算的にもあまり無理はしない方が良いです。

Final E3000

Finalはコストパフォーマンスが高いことで大人気のシリーズです。その中でもfinal E3000は5000円以下の価格帯で一番バランスが取れた製品になっています。同価格帯の別製品としてfinal E2000というのもあるのですが、こちらは少し音に色が付いていてポップス向けのチューニングがされています。それに対してE3000はジャズ・クラシックス向けのフラットなチューニングがされています。

スマートフォンで音楽を聴くのに兼用するのであればリモコン付きのfinal E3000Cを選んでもいいですが、もちろんリモコン無しの方が安いです。

Finalは試聴機の貸し出しもしているようですから、VRでの使用感を確かめたい、高い製品と比べてみたい、といった場合は利用してみるのも良いかもしれません。

ZERO AUDIO CARBO MEZZO ZH-DX220-CM

ZERO AUDIOもコストパフォーマンスの高さには定評があるメーカーでです。その製品の中でもZH-DX200-CTは中高音域の表現力に高い評価を受けています。低音と高音が若干強調され気味ではあるのですが、3Dオーディオの再現においては解像度の高さが役立っています。迫力のある音が求められるようなゲームをよく遊ぶ場合にも向いているのではないでしょうか。

オーディオテクニカ ATH-CKS550X

幅広いオーディオ製品を出している老舗、オーディオテクニカによるエントリー向けのモデルです。エントリー向けの製品としては珍しく、フラットな音響特性を持ち表現力も高いです。

反面コードにぶつかった時の雑音(タッチノイズ)がやや酷く、歩きながら音楽を聴くような用途にはあまり向かないのですが、VRを楽しむ上ではこの欠点も関係ないので割とオススメです。

まとめ

VRに音響が重要な理由と、VR適したイヤホンの選び方、オススメ製品を紹介しました。世間的にも評判が良く、音楽聴くなど普段使いにも活用できそうなものを選んでいるつもりです。もしこれもVRに向いているんじゃないか、という製品がありましたらコメント欄で教えて頂けると嬉しいです。

VR機器をまだ持っていないのであれば、ここに挙げたようなイヤホンが追加で必要になる事も織り込んで製品を選ぶと良いかもしれません。そうするとOculus Rift/Oculus Go、VIVE Proの価格もまた違って見えてくるのでは無いでしょうか。

スポンサーリンク